2023年転職し仕事で英語を使うようになりましたが、日々これには四苦八苦していて、特に会話が課題です。
過去にTOEICで800点以上のスコアを出すことができたものの、喋ることにおいてはとにかくまだまだ苦手意識が強い。
そこで英会話の増強に力を入れていて様々なスクールで英会話もしている中、自分の能力の向上に行き詰まりを感じるようになった私は、思い立って英検準1級を受けることにしました。
今の自分のレベルからすると英検準1級のレベルが自分が目指すのにちょうどよく、尚且つ4技能試される英検はぴったりだと感じたのです。
4技能というのはリーディング、リスニング、ライティング、スピーキングのこと
そして2023年2回目の英検で一次試験に合格し、二次試験の面接も終え、なんとか一回で合格することができました。
そこで英検準1級に合格するために行った対策と対策のために購入した本やおすすめの本をまとめたいと思います。
- 英検を従来型で受けるべきかS-CBTで受けるべきかのポイントがわかる
- 英検の一次試験でどんな勉強(対策)をするべきかわかる
- 英検の二次試験でどんな勉強(対策)をするべきかわかる
- 英検とTOEICの違いについてわかる
この記事が、これから英検の受験を考えている方の参考になれば幸いです!
英検の受験方法について
まず最初に英検受験の全体像について簡単に触れておきたいと思います。
従来型の試験とS-CBTでの受験と2種類の受け方がある
現在、英検は従来型の紙の試験と、S-CBTと呼ばれるコンピュータ受験の2種類があります。
従来型の試験は年3回であるのに対し、S-CBT方式は原則土日に実施されるため、受験する日程の選択肢の幅が広がります。
また従来型は一次でリーディング、スピーキング、ライティングの3技能を受験した後に別日程でスピーキングの試験を受けるのに対し、S-CBTは1日に4技能全てを受験することができます。
一気にまとめて行いたい、従来型の英検はスケジュールが合わないといった方にはS-CBTがおすすめです
従来型とS-CBTどっちで受けるのがいい?
従来型がいいのか、S-CBTがいいのか、どちらで受験するのか決める際、下記の観点で従来型を選びました。
- 試験が一次と二次に別れているので、一次ではまず3技能に集中して勉強できる
- 従来型の方が家から近い受験地で受けることができた
- 二次試験のスピーキング(面接)が試験官との1対1なので周りが気にならない
色々と比較する意見を調べてみましたが、S-CBTではスピーキングで周りの人も一斉に喋るので気になるという意見が多かったです。
一方で一次試験を受験してから感じたことですが、S-CBTだとキーボードでライティングを入力することができるので、その点は圧倒的に時間短縮になると思います。
従来型の英検でライティングの清書をするのに時間がかかってしまい、かなり慌てましたがタイピングだったらなぁ・・・
ただしS-CBTが選べるのは準1級までで、1級は従来型のみのようです。
どうやって受験する級を決めるべき?
英検は1級から5級まで、全部で7つの級が存在し、それぞれに学習レベルが定義づけられています。
試験内容にスピーキングが加わるのは3級から。
英検公式サイトより引用
先日2025年から2級と準2級の間に級が追加されるニュースが話題になり、いずれ8つの級になるようです
そしてこの各級をCEFR(セファール)に当てはめると以下ような感じ。
文部科学省の資料より引用
現在学んでいるオンライン英会話スクールでレベルチェックをする中で、今の自分がCEFRのB1とB2の間くらいの実力だと感じているので、英検準1級を目指すのがちょうどいいと感じました。
IELTS換算にすると準1級でも5.5前後なので、全然まだまだという感じはありますが、本格的な英語学習の入り口としてはいいのではないでしょうか。
近年では大学受験に英検のスコアが利用できることもあってか、試験会場には学生の方がかなり多かったです。
TOEICと比べると圧倒的に年齢層が若く感じました
英検準1級の一次試験対策で行った勉強まとめ
とにかく単語力アップ
初めに英検の過去問を見て思ったのは「単語が全然わからない!!」ということ。
これはもう内容理解とかそういう話ではない、とにかく単語だ、と思ったので単語学習用に本やアプリを活用しました。
はじめに私が購入したのは旺文社の「でる順パス単」です。
でも最新の5訂版が実はこれだけでは対策不足になるという情報を後に耳にし、物書堂の単語アプリで4訂版の「パス単」も書い直し、そこからはアプリメインで学習しました。
さらにYouTubeで評判を耳にして「でた単」のアプリも購入しました。
改めて様々な評判を確認するとジャパンタイムズ出版の「単熟語EX」の評価が高いようだったので、もし今後1級を目指すことがあったらこちらのシリーズを買ってみたいと思っています。
これから何か対策用に単語本を買おうとしている人には、この単熟語EXがおすすめかも。
とにかくリーディングのPart1が単語勝負なので、できるだけ単語は身につけておいた方が良いです
長文とリスニングは過去問で対策
試験対策の基本は過去問ということで、過去問のテキストも購入しました。
過去6回分の過去問を入手することができるので、これは一番必須だと思いました。
過去問対策が必須なのは、TOEICも同じですね。
この過去問、旺文社のサイトで採点できる仕組みがあって、それが見やすかったので良かったです。
自分のレベルがグラフで可視化されるのはいい
リーディング、リスニングは直近3回分の問題だけは英検の公式サイトで見ることができますが、音源のダウンロードなどはできないので、利便性から言ってもやっぱり過去問集が使いやすいです。
TOEICと英検では全然問題の傾向が違うので、問題傾向を把握しておくためにも過去問は必須です。
点を取るためのライティングのポイントを把握しておく
いろんなところでライティングが重要だと聞いていたものの、英検の結果を受け取ってその重要性を実感することになりました。
準1級の一次試験はリーディングが想像より全然点が取れず、リスニングは目を覆いたくなる状態で、本当に「これはもう落ちた」と思っていました。
でも結果は合格(本当にびっくり)していて、これにはライティングでの得点が大きく影響していました。
ではその重要なライティング対策をどうするべきかということですが、ライティングのポイントがこれ。
- 自分の立場を明確にする文章から始める
- 理由を2つ書く
- 最後に結論の文を書き、主張を繰り返してまとめる
まとめるとこれに尽きるので、これだけといえばこれだけなんですが、それをどうやって文章化するのかという点においてはいろんな人が型を紹介しているので事前にある程度頭に入れておくのがおすすめです。
ライティングに関して私が利用した本はこの2冊。
まず1冊目は、いろんなところでおすすめされているのを見た「英作文問題 完全制覇」
かなりボリューミーで、英検に限らず様々なアウトプットに役立つ表現が多々あったので、今後も何かの際に活用できそうな気がします。
そして2冊目は「英検ライティング 頻出テーマ 使いまわせる表現22」
個人的にはこの本がとても簡潔にまとまっていて、直前対策にめちゃくちゃ役立ちました。
本当に必要な部分が凝縮されていて「こういう風に書けばいいんだ!」っていうのを短時間で理解できたのはこの本のおかげ。
しかもKindle Unlimitedの読み放題対象で、ちょうど登録していたので+αの費用かからずに読めたのも良かったです。
KindleUnlimitedでもこんなしっかり対策できる本があるんだというのが発見でした
英検準1級の二次試験対策で行った勉強まとめ
過去問を必ず確認しておく
一次試験同様に、過去問を確認しておくのは必須なので、ここでも過去問を確認してました。
特に私は「質問に対してどういう回答を返しているのか」を見てました。
文法とか表現は高度じゃなくてもいいけれど、聞かれたことに対して何も意見が浮かばないのがやばいと思っていたので、その対策のためです。
特にテーマによっては普段全く考えたこともないものが出ることがあるので要注意でした
この過去問と並行して、二次試験対策用の本も購入しました。
14日分の14個のテーマが出ているので、問題の切り口を知る上でも良かったと思います。
二次試験会場でかなりの人が同じ本を持っていて、やっぱりみんなこれで対策しているんだなと思いましたね。
個人的には返している回答の中身が結構共感できないことも多かったのですが・・・w
でも実際の試験でも「○○だと思いますか?」と聞かれるケースが多いので、とにかく「回答しやすい立場を取ることが重要なんだ」ということを学びました。
英語で答える場であって自分の意見を言う場所ではないという学び
2分以内でナレーションを喋り切る練習をしておく
スピーキングの最初に行われるナレーションは2分以内で4コマ分を説明するものですが、この時に絶対に最後のコマまで辿り着いている必要があるとのこと。
感覚的に1コマあたり2文〜3文程度がちょうどだと思いますが、喋りすぎると最後まで終わらない可能性があるので、時間感覚は持っていた方がいいと思います。
ちなみに試験当日も普通の時計はしていくことができるので、時計を見ながら喋る練習を事前にしておくのはおすすめです。
また時制については過去進行形または過去形が必須なので、それ以外の時制は使わず喋り切れるように練習しておくのも必須です。
点を取るためのスピーキングのポイントを把握しておく
ライティングと同様にこうしないと点が出ない、というスピーキングの作法があります。
ナレーションは2分という制限がありますが、それ以外の質問部分は3文喋ると言うのがあるので、情報量多めにしっかり意見を喋ると言うのが重要だと思います。
- ナレーションは過去形または過去進行形で絶対に最後のコマに辿り着くこと
- 問題の解答は絶対に3文(3節)喋ること
- 日本語は言わないこと
- 無言になるくらいだったら聞き返したり何か言って時間を稼ぐこと
- ただし聞き返しは1題につき1回までにすること
あと詰まった時に無意識に「あー」とか「えー」とか日本語を喋ってしまう癖が出てしまう人もいるかと思いますが、それは減点対象になるそうなので、無意識に使わないように練習しておくと良いと思います。
ライティング同様にスピーキングも英検の型を知っておくことが重要
オンライン英会話で模擬面接/スピーキング対策をしておく
英検に取り組んでいるのも「英語を話すため」なのでオンライン英会話を受けていますが、QQEnglishに英検の面接対策カリキュラムがあることを知っていたので、二次試験前にそのレッスンを受けて実際に通しで模擬面接を行いました。
この時までしっかり2分間の時間を計ってナレーションをしていなかったので、改めて時間を意識してナレーションすることの重要性を感じました。
ちなみにこの時に発見だったのが、先生の言っている質問で意味が分からないことがある!!という焦り。
答えることばかりに意識を向けていたけれど、そもそも質問が聞き取れなかったら答えられない!
そこで英検の過去問を使って質問のディクテーションを行い、質問をしっかり聞き切る練習をしました。
答えることばかり考えていたので完全に盲点・・・
私は特に従来型で英検を受けたこともあり、対人で模擬面接をしておいたことはとても良かったなと思っているので、英会話レッスンで体験しておくのは結構おすすめだと思いました。
またネイティブキャンプという英会話スクールでは「スピーキング」という教材のLEVEL2が、英検のスピーキング対策にちょうど良いことに気づいて、直前はそればかり受けていました。
英検の二次試験対策のカリキュラムはネイティブキャンプにもあるので、そちらを使っても良いと思います。
特にネイティブキャンプは会話し放題なので、そもそも英語を話すことに慣れていない方は話すこと自体に慣れるためにも活用できると思います。
ちなみにQQEnglishでの模擬面接の結果、私のレーティングは1.5/3で決していいものではなかったですが、それでも受かりました
二次試験当日の実際の流れやスケジュールについては、以下の記事にまとめたのであわせて参考にしてみてください。
一次試験と二次試験で共通して行った対策
時事問題に対する意識を高めておく
英語自体の能力とは別に、気をつけておきたいと思ったのがこの時事問題。
というのも英検のライティングもスピーキングも結構時事ネタがテーマになっていることが多いです。
通常の英会話でも英語能力以前に「話したいことが何もない」「自分の意見が何もない」ということで焦ること多々。
英検のテーマは教育や社会的な問題を問われることも多い「そもそも何も考えていない」「何も言いたいことがない」という状況に陥るのが大問題。
なので過去問などの傾向から聞かれそうな時事問題に関する意見を収集したりしておくと、役立つと思います。
私はこの時事問題関連の用語やフレーズ、キーワードをメモしてまとめてました。
言いたいことが何も浮かばないのが一番やばい!
YouTubeで英検対策動画を見る
無料で有益な動画を見ることができるのは本当にいい時代ですよね。
英検に関してもいろんな方が対策動画を出しているので、それをたくさん見ました。
特に参考にしたのは森田徹也(通称:もりてつ)先生の動画ですが、森田先生は英検の面接官をしているそうで、かなり具体的なTipsが凝縮されていて必見だと思います。
英検準1級にフォーカスした対策動画ももちろん見ましたし、
面接で「May I come in?」って言うべき?と言う細かい気になる点についても動画をまとめてくれてました。
私は記憶力が弱いのでこれを見てポイントをメモにまとめて簡単に見返せるようにしてました
英検とTOEICの違いについて
圧倒的に単語力が重要
英検の過去問を見て真っ先に思ったことは「やばい、単語が全く分からない」ということ。
理解をするも何も、単語がわからないと何も始まらないことに気づき、とにかく語彙力の重要性を感じました。
一方でTOEICは単語自体の意味が分からなくても品詞で解ける事も結構ありました。
近年はますます難化が進んでいると言われているTOEICなので、それだけでは難しいことも増えているかもしれませんが、それでも単語以外の文章構造から解けることはあると思います。
またTOEICで点数を出すにはリスニングを真っ先に頑張った方が効率的なこともありリスニング練習が最優先でしたが、英検においては単語と英作文が最重要だと感じました。
長文は国語的な感じで独特な内容なこともある
TOEICの長文は基本的にはビジネスに関する事が多いです。
お店の広告であるとか、ビジネス的なメールのやり取りであるとか、情報収集力も重要なのがTOEICの傾向。
一方で英検は国語のテストのように、文章を読ませるタイプの問題が多いです。
ここで注意なのは日本語でも全く聞いたことのないようなものがテーマの長文が出るということ。
日本語でも聞いたことないようなキノコの話とか・・・
長文において問われているものが全く異なる性質なので、注意が必要です。
リスニングが意外と難しくて大苦戦
リスニングはPart1〜Part3まで、3つのセクションに分かれていますが、Part2が特に難しくて大苦戦。
何が難しいのかというと、結構長めのセンテンスに対して、質問が2問付いています。
これが正直めちゃくちゃ難しく感じてしまい、実際試験までに攻略し切ることはできず当日を迎えました。
英検でも先読みすべきですが、TOEICよりも先読みが大変でした。
なのでここはあえて戦略的にリスニングに力を入れないというのはアリかもと思いました。
TOEICであればリスニングを捨てるのはありえないなと思ってしまう私ですが、英検はリーディングとライティングの結果で合格できた感じなので、攻略しやすいところから取り組んだ方がいいと感じました。
実力不足は認識している上で、英検のリスニングはTOEICとはまた異なる難しさがあるなと感じました・・・
ライティングがとにかく重要
いろんなところで英検はライティングが重要と見聞きしましたが、私が昔英検2級までを受けていた時にはライティングは存在していなかったので実感が湧いていませんでした。
そしてそもそもTOEICはライティングはいわゆる通常のTOEICには存在しません。
なのでマークシート方式だけで、自分で英作文を書くという事がありません。
これはスピーキングとライティングが別の試験として切り出されているため(なんなら以前はなかった)ですが、スピーキング共々いかに自分がアウトプットするかというのはまた別の能力が問われます。
そのため普段から英語で文章を書くことを習慣にしておいた方が圧倒的にやりやすいのは間違いないと思います。
私もライティングのおかげで受かったと言えるので、本当にこのセクションが重要であるということを身をもって痛感しました。
最後どこに時間割くか悩んだらライティングがおすすめ
英検は合格か不合格の2択しかない
TOEICは点数制なので、結果が良くても悪くても英検よりもプレッシャーは低いなと思いました。
英検において受かるか落ちるかというのは大問題で、1問が明暗を分けることもある中で、結構プレッシャーを感じましたね。
TOEICだと現在のレベルチェック的な気持ちになれたりするところもありますが、英検って落ちたら無意味だなと。
一方で試験自体のハードさで言うと、TOEICの方が圧倒的な問題数で負荷が高いので、試験自体の疲労感としてはTOEICの方が上回ると思います。
TOEICも時々は受けようかなと思うけど、疲労感を思うとなかなか・・・
まとめ
久しぶりの試験ということでせっかく英検について色々調べたり学んだりしたので、記事にまとめてみました。
来年から試験内容が変わるということで、もし取得するなら今のうちに!という声もあるようです。
次に1級を目指すかどうかはまだ決めていませんが、引き続き英語学習頑張りたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!